河内長野市は 、東日本大震災を契機として、地域防災力の向上を目指し、産官民協働による地域防災体制の構築を進めておりますが、その先導的な取組として、地域のエネルギー事業者である弊社と一体となって、平常時からの「地域力」を活かした災害支援拠点づくりに着手するため 、協定を締結しましたのでお知らせいたします。
本協定のポイント
企業と自治体との防災協定は数多く存在しておりますが、河内長野市と河内長野ガスとの協定は、以下の点において先導的で独自性のある協定となっています。
- 産官協定でありながら、東日本大震災で重要性が明らかになった市民団体や市内外ボランティア団体(NGO/NPO)との連携、活動支援体制を視野に入れています
- 新社屋の計画段階から、地域との連携に配慮したゾーニングやライフスポット化(※)を進め、実効性のある体制を構築します
- 災害時だけではなく、平常時から市民活動に施設を提供することで、まず平常時の『地域力』を強化し、その結果として『地域防災力』の育成、維持をめざします
(※ライフスポットとは、ライフラインが途絶した状況でも、水や電気等が使える「スポット」を確保し、周辺地域の支援拠点として活用しようとする考え方です)
協定名
「災害時等における支援協力に関する協定書」
協定の目的
河内長野市と河内長野ガスが、平常時における地域力の向上を通じて、災害時における防災力の向上を目指すための取組を協同で実施することで、防災まちづくりに寄与することを目的として、河内長野ガスによる支援協力内容等、必須事項を定めます。
両者の役割
- ① 河内長野市の取り組み
- <平常時>
-
- ・災害支援拠点の平常時の利用メニューづくり等を市民団体等が中心となってすすめることができる運営体制や仕組み作りの支援
- ・災害時に市内外から支援を受け入れるための体制づくり
- ・地域防災力向上のための防災啓発活動の実施
- <災害時>
-
- ・地域内外の市民の力を災害対応に活かすため、市やボランティアセンター等の関係機関との総合調整を実施
- ② 河内長野ガスの取り組み
- <平常時>
-
- ・新社屋の一部施設を地域力向上のための市民団体等のネットワーク作りや、地域防災力向上のための防災啓発活動に提供
- <災害時>
-
- ・商用電源停電時にマイクロコージェネレーション・太陽光発電にて発電した電力、及び非常用の生活用水としての井戸水等の提供
- ・新社屋の一部施設を市民団体及び市外ボランティア団体等の活動支援拠点として提供
- ・新社屋の一部施設を災害支援物資等の一次保管場所として提供
協定締結までの経緯
河内長野ガスでは災害対策事業として、地域防災計画がご専門の紅谷昇平先生(人と防災未来センター研究主幹)を迎え、防災まちづくりという視点から、災害時に企業が果たすべき役割を考える勉強会(「河内長野・産官民協働による防災まちづくり勉強会」)を開催しておりましたが、協働まちづくりを推進する河内長野市にも勉強会に参加いただきました。
勉強会では、専門・団体ボランティア活動の活発化に対応する受入れ体制の重要性等、東日本大震災を通じて地方都市災害における教訓が明らかになりました。また、東日本大震災を通じて、平常時から醸成する『地域力』が災害時に大きな力を発揮することも明らかになりました。そうした『地域力』醸成のため、産官民が一体となって日頃ごろからコミュニケーションを深めておくことの重要性を再認識しました。
このような東日本大震災の教訓を踏まえ、河内長野ガスでは企業の災害対策の一つとして、さまざまな地域防災上有効な設備や施設の導入を検討してまいりました。また、河内長野ガスが地域のエネルギー供給会社であるという点、市役所や警察署、および市民交流センター(キックス)などの市の主要な公的施設の近隣に位置しているという立地から、地域防災を考える上で、今後重要な役割を担えるものと考えております。この、河内長野ガス新社屋を平常時は地域力向上のための活動拠点として、災害時は地域防災支援拠点として位置づけ、平常時から「地域力」を活かす災害支援拠点づくりを目指すため、防災協定を締結するに至りました。